スマートフォンは従来の携帯電話に比べてインターネットを手軽に便利に利用できるという利点があり子供たちの利用者も増えています。
しかしながら、子供たちが手軽にインターネットを利用できるようになったために、インターネットに起因するトラブルや被害(いわゆるネット被害)にあうケースも増えています。
そこで、子供たちをネット犯罪やネット被害から守る有効な手段としてフィルタリングがあります。
フィルタリングは、子どもたちに見せたくない出会い系サイトやアダルトサイト等、有害情報が含まれるサイトを画面に表示しないように制限し、危険なネット誘引にあわないようにする機能です。
そして、法律(青少年インターネット環境整備法)でも、18歳未満の青少年が利用する携帯電話については、保護者が不要の申出をしない限り、フィルタリングの利用が条件となっています。
しかしながら、「平成27年度上期コミュニティサイトに起因する事犯の被害児童のフィルタリングの利用状況」に関する調査では、被害にあった児童の96.3%がフィルタリングを利用していなかったという結果が出ています。
これは、携帯電話会社が提供する一般的なフィルタリングサービスは、携帯電話会社が提供する通信回線を利用してインターネット接続を行った場合には効果的なのですが、スマートフォンは携帯電話会社が提供する回線だけでなく、フリーのアクセスポイントなどを通じて比較的容易に無線LAN(Wi-Fi)接続でインターネット接続が可能なので、フィルタリングサービスが適用されず不適切なサイトへアクセスしてしまう可能性があるからです。
また、スマートフォンはいろいろなアプリケーションが利用可能ですが、このアプリケーションからもインターネットに接続することができ、フィルタリングを正しく設定してないと不適切なサイトへアクセスしてしまう可能性もあるからです。
したがって、子供にスマートフォンを利用させる際に購入時点で携帯電話会社のフィルタリングサービスを利用する契約しただけでは万全とはいえません。
契約したフィルタリングサービスについて、無線LAN接続でも有効なのか、子供の学齢に応じたレベル設定や、カテゴリー別の閲覧可/不可の選択が可能なのかなどの、機能をしっかり確認し適切なフィルタリング設定を行うことが必要です。
具体的なフィルタリング設定等については、一般財団法人インターネット協会で提供している「その時の場面集」に解説ページがありますので、ぜひご覧ください。
一般財団法人インターネット協会「その時の場面集」